2023/12/19 20:23


与論島は、当時好きだった作家の森瑶子さんの別荘があり、毎年7/7に別荘で七夕パーティーがあるというので参加しに行きました。

とても素敵な池のある別荘でした。
森瑶子さんのお嬢さんと皆で瑶子さんのお墓に花を飾りました。

パーティーの最後は、中庭でみんなで丸く円陣に座り、星の下でどんぶりに入ったお酒を回し飲みしながら一人づつ、七夕の願い事を言いました。

その時に読み始めていたギリシャ神話の世界と与論島の星の夜空が私の中で繋がって、「私のギリシャ神話」を描いてみたいと思いはじめました。


そして旅は鹿児島へ。
鹿児島にあるホテルのロビーに描く桜島の絵、芸能人専用のフロアの廊下に飾る何枚かの絵を引き受けました。

何日でも泊まって描いても良いということでした。日記を見ると、久しぶりの(都会!)で、私は夕方になると毎日三越で買い物をしていました。なんでも素敵に見えて、ハンカチから洋服、小物に化粧品etc.…。

2週間程鹿児島に滞在して無事桜島の絵を納めたあと、やり残した仕事のために再び奄美大島へ帰り、最後に東京へ帰りました。



約半年間の南西諸島の旅は、一人で飛び出した私に自信をくれました。
当時本当に若くて、絵が描きたいというたった一つの思いだけで歩いていました。
そこに集まってくる人の期待に答えるように描いていました。
人々に賑やかに囲まれているようで
私はいつも一人でした。
孤独が一番私を絵に向かわせる材料でした。
それは今もそうなのだと知っています。

旅でたくさんの人に出会いました。でもそこでコミュニティを作るのは苦手です。旅は、通り過ぎるもので私がいくつも持っている面の一面です。


さてさて、東京に帰った私は与論島で夢中になり始めたギリシャ神話の世界へ入り込んでゆくのでした。