2023/12/31 04:55
イタリアに住むフレスコ画家、坂田さん夫妻と1年程文通で「フレスコ画とは何か」を学んだあとに
「良かったらイタリアにフレスコ画を描きに来ませんか?」とお誘いをいただきました。
もちろん行かない理由はないので、
「是非行きます!」と応えて
お土産に頼まれたお醤油とお味噌を持って2005年の春、イタリアに行きました。
ヴェネチアの北にあるヴィツェンツァという街でした。
ヨーロッパの旅はこれが初めてでした。
イタリアで一番感じたのは、イタリアの男の人はみんな親切!という事でした。
レディファーストはもちろん、女性がいたら親切にしない事なんてあり得ない。というぐらいの習慣を持っていて、これには感激しました。
ヴィツェンツァにある坂田さん夫妻の家にお世話になりながら、フレスコ画制作をしました。
坂田さん夫妻は当時70代に近い年齢で、その町に10年程暮らしていました。フレスコ画は、イタリアに来て壁づくりから学んでいました。
イタリアでも壁づくりは左官の仕事で、画家と左官職人は分かれていますが、坂田さん夫妻は両方できる珍しいスタイルでした。
私が訪れた時点で坂田さん夫妻のフレスコ画は街に50点を超えていました。
私が坂田さん夫妻と一緒に制作したのは、チーズ農家の新築のお宅の壁と花屋さんの3メートル程の壁2点でした。
左官の仕事は嫌いではなかったのですが、壁づくりはかなり難しく、
均等に仕上げないと、崩れる原因になるので難関でした。
絵は3人で下書きを考えて作るので、いつも一人で思いのままに描いている私にとってはかなり苦手な作業でした。
その事で泣いたり笑ったり坂田さん夫妻に自分をぶつけて、まるで子供のような私でしたが、家族のように可愛がっていただきました。
花屋さんのフレスコ画は地元の新聞にも取り上げてもらいました。
このフレスコ画制作の日々は、今ではとても貴重で素晴らしい体験をしたと思っています。
イタリアでは、なんと言っても食べ物が美味しかったです。
剥製がお店のいたる所に飾られているジビエのお店、チーズ農家のお母さんがつくる自家製パスタ、一人一枚のピザ!、ヴェネツィアのジェラート、カフェで飲むエスプレッソ...
帰りはロミオとジュリエットの舞台ヴェローナ、水の都ヴェネツィア、を旅しました。
ヴェネツィアのゴンドラ、街並み、ヴェネツィアングラスの色はとてもロマンチックでした。
帰ってから、私はいただいたイタリアの顔料やフレスコ画の材料で小さな作品を作りました。
イタリアの日々は、一生心に残る素敵な旅でした。