2024/01/11 07:19

ドンペリ事件については、ここ最近の忘れない思い出の一つです。

あれは昨年の秋、
初めて食事をする方と
初めてのフィリピン料理で、
5年ぶりのお酒を飲んだ後のことです。

ぶらぶら二人で駅の方へ歩いていると、

妙に昼間から盛り上がっている居酒屋さんがありました。
間口はオープンになっていて、コの字のカウンターと奧に焼き場があり、そこにもカウンターがあります。

昼間なのに、人がたくさん飲んでいて、
昭和的な、赤羽的な、でも今時のお店です。

躊躇なく、自然に吸い込まれて行った私達は中のカウンターに座りました。

店主はやはり若くてブルースブラザーズが好きそうなノリの、イケメンのお兄ちゃん二人。

一人は小柄で、リズミカルに焼き物を焼きながら、
時折もう一人のイケメンに目で合図したり、威勢よく〇〇入りました~♪などとテンションを常にあげている。

もう一人はひょろっと背が高くて、シラッといたずらしそうな兄さん。

カウンターで久しぶりのお酒を飲みながら、その楽しそうな若い二人を見ているのはとても気分が良い事でした

横に座るお相手は赤ワインを、
私は久しぶりのお酒でだったので、分けていただいたビールを少しづつ飲んでいた気がします。

お相手の方はよく飲む方で、ワインを何杯かおかわりしていました。

事件はその何杯目かの赤ワインをおかわりした時に起こりました。

「すいません!赤ワインおかわり」
とお相手の方が言うと、

前にいたシラッとイケメンの兄さんは
赤ワインを持って来てから、
「じゃあドンペリ開けちゃおうかな~♬」
と言いました。

もちろん違うよね?だって奧にある日本酒の詰まってる冷蔵庫から出したドンペリの瓶はラベルが剥がれぎみだったもの!

と思う私の前に注がれた透明のグラス。
どうぞと手で促す兄さん。
おそるおそる飲む私。

そしてお相手にも飲んでいただく。

・・・水です。よく言えばチェイサーです。

この場では、私もお相手も、兄さんも笑って楽しい一時でした。

ですが、帰ってから妙にざわざわと引っかかりました。

飲み慣れていないことを見透かされたようで、悔しいのです。すぐわかりそうなジョークに「じゃあ、ソーダ割で!」と返せなかった私に悔しい!

だからと言ってもう一度行くかといえば違うのですが、
久しぶりのお酒デビューの日に洗練を受けたような、カウンターに座る二人の関係をはかられたような、忘れられない思い出です。

その時のお相手は今は私の恋人なんですけどね。
後20年してもこんなに可愛く若い子に騙されてしまう二人もいいな、と負け惜しみで思う私です。