2024/01/21 16:44
2006年は、今の私を作るいろんな出来事があった年でした。
たとえばあの頃のいろいろをタイトルにするならこんな感じです。
神保町の喫茶店と文壇バー
新宿のジャズバーとゴールデン街
イラストレーションの仕事
シャンソニエと歌手
京都ひとり旅
ロダンとフランス映画
27才のあの頃、初めて足を踏み入れた大人達の世界の中で、
ときめいて、胸が高鳴る情熱的な日々をのびのびと全身で感じて
その全てを絵に描いていました。
今回は神保町の喫茶店と文壇バーのお話し。
2006年、珈琲店を営むお友達の紹介で
神保町の喫茶店でアルバイトをしていました。
すずらん通りにある冨山房書店が経営している珈琲の美味しい喫茶店、FoIio(フォリオ)。
地下にある落ち着いた雰囲気の広々とした喫茶店で界隈の編集者さんや、近くの書店さん達がお客様でした。
神保町は本の街で、編集社、古本屋さんが溢れ、ミュゼットの流れるある古い喫茶店や、文壇バーがあり、映画館、銭湯、老舗の洋食屋さんがある面白い街でした。
そこで働いている人々が喫茶店に来るのだから、雰囲気も良くて楽しいはずです。
喫茶店にアルバイトに来る子達も、そういう世界が好きな子達ばかりで、みんな仲良くて今でも変わらず個展に来てくれています。
その中の一人、今では親友のさっちゃんとの出会いがありました。
さっちゃんは3才年下で、早稲田卒の文学的な女の子。
発掘のアルバイトしていたり、何かを追い求めて旅をしたりする秘めた情熱のある不思議な魅力のある女の子。
彼女と初めてアルバイト帰りに寄った喫茶店、さぼうるに行った時のこと、
煉瓦の壁にオレンジ色のライトの中、
二人とも20代前半の同じ時期に村山塊多にはまって、頭をボウズにしたことがあると告白しあいました。他の人には秘密にしている話もお互いしました。
それから彼女とはずっと親友です。
アルバイトは半年程でしたが、週に3日、朝9時から夕方4時までそこでアルバイトをして、
その後、古書店経営の文壇バーで6時から11時頃までバーに立っていました。
文壇バーは古書店のビルの5階にあり、レトロで落ち着いたお店でした。
黒に小さな水玉の半袖ブラウスに黒のタイトスカートに黒のストッキング。
これが制服。
バーカウンターのあるシックな部屋と、バリ島風のインテリアのカラオケの部屋がありました。
お客様は編集者のお偉いさんたち、ちょっと変わった趣味の方、ワイン好きな方など、お話しも面白くて楽しい仕事でした。
私はここで、お客様のおもてなしの心と接客の大切さをたくさん学びました。
それに、どんなお客様がお店にとって素敵なのかも知ることができました。
そんな生活のベースの間にいろいろなことがあったあの頃の話。
次は新宿のジャズバーとゴールデン街の話。